
アイドルを夢見て
兵庫県龍野市出身である紗奈は、現在は東京に住んでいる22歳のアイドルだ。
紗奈のアイドル名は、早川紗奈(はやかわさな)。
といっても、テレビに出たこともない、売れないアイドルという生活を送っている。
紗奈はこれまで、16歳のときから、アイドルになりたいと思っていた。
しかし、紗奈がアイドルになることは、紗奈の両親からずっと反対され続けてきた。
紗奈は、どうしてもアイドルになることが諦めきれないと、両親を説得し続け、紗奈が高校を卒業したら、オーディションを受けてもいいと、やっとのことで、了解をもらった。
紗奈は正直、アイドルになるには、中学生の時ぐらいから、意識しないといけないほど厳しい世界だと思っていた。
ただでさえ、アイドルになれる確率が低いのに、高校を卒業するまで待っていたら、機会損失も甚だしいてはないか。
半ばアイドルになることを諦めかけていた紗奈に、背中を押してくれたのが、とあるInstagramでのDMだった。
とある事務所から、オーディションを受けないかというお誘いを受けたのだ。
紗奈は、高校を卒業する手前だったので、大学への進路を辞めて(アイドルになりたかったのでわざと辞めた)、卒業してすぐに、オーディションを受けにいった。
結果は、合格。
「やったー、アイドルになれた!」
それ以来、紗奈は、東京のアイドル事務所に入り、毎日レッスンを受けていた。
しかし、アイドルとはいっても、紗奈がテレビに出演する機会もなく、メイド喫茶のアルバイトをしながら、毎日やりくりしていた。
そんな中、先日、紗奈が、Tick tokでライブをしていたとき、パンチラしっぱなしだったようで、かえってそれが原因で、動画がバズるということがあった。
「男性って、女性のパンチラ見るの、好きなのかなあ?」
(私のパンツなんて、見られるの恥ずかしい。ずーっと、見えていたなんて。)
紗奈は恥ずかしいという思いと、バズった嬉しさで、複雑な心境になったりした。
パンチラ好きのサラリーマン

健一は埼玉県川口市に単身赴任している、サラリーマンだ。
健一の名前は、川野健一(かわのけんいち)。
健一は会社では、うだつの上がらないサラリーマンをして、50才を迎えた。
健一は面白くない会社生活にうんざりしていて、何かを始めたいという思いから、パンチラをテーマにしたブログを書き始めた。
健一が、ブログを書くのはいいとして、なぜパンチラなのかというと、何よりも健一は、小学生のときから、パンチラか大好きだったからである。
健一にとって、パンチラを見ながらオナニーをするという行為は、セックスと同等かそれ以上に自身が気持ちよくなれる媒体であった。
パンチラに興味が無い人にしてみれば、パンチラの何がいいのか、全く理解できないだろう。
一言でパンチラといっても、いろいろなパンチラがある。
例えば、盗撮系が好きな人もいれば、コスプレイヤーのパンチラが好きな人もいる。
また、素人が好きな人もいれば、グラドルが好きな人もいる。
健一はどちらかというと、AV女優ではなく、グラビアアイドルのパンチラが好きだった。
健一の好み的に、パンチラの被写体が、健一以外の男性との絡みがあるところを見たくないという思いがあるらしい。
健一が、思っていることに、普通の男性の場合、自分が好きな女性が、自分以外の男性と、絡んでいるところを見たいという男性は、少ないのではないかという思いがあった。
だから、健一にとっては、グラビアアイドルなどの美しい女性が、イメージビデオで、パンチラシーンがあったときなどは、絶好のオナニーネタであった。
健一は、パンチラブログを書きながら、自分の好みの女性が自分の理想のパンチラポーズを延々としてくれるような作品を作ることができないだろうかと、日々考えていた。
そして健一は、生活に困った女性が、AV女優になったりするのを見て、なんでいきなり裸になるんだろう?と勿体ないと思っていた。
健一にしてみれば、女性が裸になる必要が無いのである。
健一は別に裸が嫌いというわけではない。
健一にとっては、女性が裸になるというのは、セックスをするときか、パンチラを想像するときかのどちらかに対して有効だと思うときである。
確かに女性の裸は、この上なく美しいものである。
しかし、健一にとって、美しい女性のパンチラは、どんな絶景よりも、エロ美しいの極みであると思っていた。
健一は、いろいろなサイトで、パンチラネタを探したりするのが好きであり、良いパンチラが見つかると、とても嬉しい気持ちになり、興奮するのであった。
そんな中で、健一は最近、YouTubeやTick tokでパンチラしている女性がいると、ほっとした、癒しのようなものを感じるようになった。
そんなある日、健一が、YouTubeを見ていると、Tick tokのライブでパンチラをしっぱなしの可愛い女の子を見つけた。
(早川紗奈ちゃん、えっ、この子アイドルなんだ。どんな女の子なんだろう?)
健一は、ネットやツイッターで、この子のことを調べてみた。
(なになに、早川紗奈(はやかわさな)、22歳。一ノ瀬プロダクション所属。5人のユニット「ゲンキー5スターズ」のメンバーの一人か。ちょっと聞いたことがないアイドルグループだなあ。
でも、可愛いなあ。)
アイドルへの道

「紗奈ちゃん、さっきも言ったとおり、ここのステップは、1拍目の裏拍が、ビシッとそろわないといけないの。」
紗奈には、毎日のレッスンが続いている。
売れるかどうかわからないけど、前を向いて、根性で頑張っていくしかない。
紗奈たちは、5人のユニット「ゲンキー5スターズ」として、売れっ子を目指す、アイドルグループだ。
紗奈たちは特に、歌や踊りで際立った長所があるわけでもない。
そんな紗奈たちが、アイドルとして、他のアイドル達と、差別化できることが何なのかについて、いろいろと話し合った。
そこでメンバー達と決めたのが、「滑らかな動きの中にある、キレッキレの動きのギャップを作ること。」だった。
男性のアイドル達の中には、キレッキレのダンスを売りにしているようなユニットは、たくさんある。
女性の中にも、ある程度のキレッキレを目指しているグループもたくさんある。
しかし、女の子らしい、しなやかな動きとキレッキレを同時に表現できているユニットは、ほぼ無いと思う。
紗奈たちは、そんな、他との差別化を目指して毎日特訓していた。
紗奈は、しなやかな動きとキレッキレな動きをやろうと思うと、意外な難しさがあることに気がついた。
紗奈にとって、正直、キレッキレな動きの方が、まだわかりやすいのだが、キレッキレの中に入れる、しなやかな動きというのが、意外と筋肉を使うのだ。
そんな紗奈にしてみれば、ダンスの動きに、動と静の融合は、想像以上にハードだった。
「おつかれさまー。」
さあ、今日は週末だ。
今日は、紗奈が個人でやっている、アイドル活動の一貫である、Tick tokライブの日だ。
最近は、わざとパンチラして、訪問者を喜ばせている。
だって、そうした方が、訪問者もどんどんと増えるからだ。
紗奈も、始めは偶然見えてしまったパンチラが恥ずかしいと思っていたが、最近では、パンチラを見られることが、快感になってきていた。
なざなら、男性の興奮している感覚が手に取るように、紗奈にも伝わってくるのがわかるようになってきたからだ。
(私って、いけない娘なんだろうか?)
紗奈のそんな想いも裏腹に、あざといと思われながら、パンチラサービス。
紗奈が、そんなふうにパンチラをチラチラとわざと見えるようにして、ライブを繰り返していくうちに、あざといとか、わざとだとか、バッドコメントもたくさん入るようになってきた。
(あーあ、やっぱり、パンチラもわざとじゃあ、幻滅するのかなあ。ちょっと、パンチラ控えよう。)
パンチラでアピールしている女の子

(うーん、この娘、またパンチラサービスしている。超可愛いし、最近、バズり気味だなあ。なになに、早川紗奈ちゃんだな。ちょっと調べてみよう。)
「ピンポーン、、すいませーん。」
「はい」
「川野さんですか?郵便でーす!」
「はいどうも。」
健一が、昨日アマゾンで注文しておいた、イアホンが早速届いた。
健一は、イアホンを早速開封し、スマホのYouTube動画を視聴しながら、イアホンの調子を試してみた。
「やっぱり、音質がまるで違う。よし、これだったら、いろいろと作業しながらでも、動画を視聴できる。」
健一はさっきまで、Tick tokでライブをしていた、早川紗奈ちゃんについて、とても気になっていた。
健一は早速、早川紗奈ちゃんのツイッターアカウントを調べた。
(うーん、早川紗奈ちゃんのフォロワー数は、6543人か。まずまずだなあ。)
健一は早川紗奈ちゃんに関するパンチラの記事を書きたいと思っていた。
しかし、早川紗奈ちゃんのパンチラは、わざとかも知れないが、基本的には、放送事故である。
健一は、本人が知らないところで記事にするのも失礼だと思ったのと、著作権という問題もある。
(そうだ、早川紗奈ちゃんに、アイドルの記事を書きたいことをお願いしてみよう。)
しかし、健一は、ここで一つの疑問が沸いた。
健一が書きたいのは、アイドルの記事ではなく、パンチラの記事なのだ。
そもそも、健一の運営しているサイト自体がパンチラサイトである。
当然、健一のサイトへの訪問者は、パンチラを期待しているはずだ。
それなのに、パンチラに関する情報が乗っていないのでは、記事にする意味が無いではないか。
(そうだ、こうなったら、正直に、早川紗奈ちゃんのパンチラの記事が書きたいと正直に言ってみよう。)
健一は早速、早川紗奈ちゃんにDMを送ってみることにした。
「こんにちは、パンチラブロガーの川野健一というものです。
単刀直入に言います。早川紗奈さんのパンチラが、神だと思いました。
早川紗奈さんのTick tokのパンチラは、放送事故だとは思いますが、多くの男性が、神レベルのパンチラだと絶賛しています。
今日はご提案があってDMさせていただきました。
パンチラを極めてみませんか?
パンチラクリエイターとして、新しいアイドルを目指してみませんか?
単なるアイドルだけでは、売れるのはほんの一握りだと思います。
いっそのこと、パンチラクリエイターだと、宣言してしまって、これまでにはない、新しいアイドルの形として、世に発信をしてみませんか?」
これは健一とって、とても恥ずかしいDMだ。
しかし、健一は、どうしても想いを伝えたくて、DMしてしまった。
パンチラクリエイターにならないかって?

紗奈は、ツイッターで、おはようを言うのが私の日課だ。
「おはよう」の紗奈の呼びかけに、たくさんのファンの方から、挨拶をしてくれる。
紗奈がみんなから元気をもらってるんだということが実感できる瞬間だ。
「紗奈ちゃん、おはよう。」
「今日も可愛いねえ。紗奈ちゃん最高!」
紗奈はツイッターのDMを開放している。
正直、気持ちの悪いコメントはたくさん入るし、紗奈以外のメンバーは、みんなDMを開放していない。
たしかに、紗奈へのDMは、気持ちの悪いDMが多いのは否めない。
中には、男性の性器の画像を送りつけてくる人もいる。
たいていのアイドルは、そんな気持ちの悪いDMが嫌で、気持ちが萎えてしまう娘は多い。
しかし、そんな中、紗奈にとっては、励ましのDMがたくさん入っていることが、DMを開放して良かったと思っていた。
例えば、紗奈を見て、生きていこうと思った女の子がいたり。
紗奈が亡くなった孫に似ていて、いつも紗奈の姿を見るのが嬉しいおばあちゃんなど。
結局、紗奈はDMを見るのが好きなのだ。
そんな中、紗奈は、変わったメッセージが入っているのに気がついた。
パンチラを極めてみませんか?
パンチラクリエイターとして、新しいアイドルを目指してみませんか?
(えっ?私がわざとパンチラしていたの、やっぱりわかっているんじゃん。
でも、パンチラクリエイター?
新しいアイドルの形?
たしかに、パンチラクリエイターを売りにしているアイドルは誰もいない。)
紗奈は、DMの送り主が気になった。
正直、アイドルに向かって、パンチラしてくださいというメッセージは、普通に考えたらおかしい人だ。
しかし紗奈は、毎日アイドルのレッスンを受けて、これで売れなかったら、ムダではないかと思うようになってきていた。
売れないアイドルやグラドルの中には、脱ぐ女性も多い。
脱ぐことが、快感な女の子もいるだろうが、売れるために仕方なく脱いでいる女の子もたくさんいる。
アイドルといっても、どの女の子にも家庭があったり、友達がいたりするものだ。
脱ぐということは、自分だけの決意だけの問題ではない。
自分と関係のあるすべての人に対して、責任が生じるのだ。
それが、アイドルという職業である。
紗奈が売れなくても、アイドルでいる以上は、常にいろんな人が自分のことを見ているんだという意識が必要だと思っていた。
「うーん、私は、アイドル、そうだ、くじけちゃいけないんだ。いろんな人が応援してくれている。私はもっと頑張らなくちゃ。」
自分だけのパンチラ作品を夢見るサラリーマン

会社から帰宅した健一は、いつものように、パンチラに関する記事を書いていた。
もちろん、健一がオナニーをするときは、パンチラを見ながらである。
最近、健一は、パンチラの作品を自分で作ることができないかと考えるようになってきていた。
健一にしてみれば、パンチラ作品を自分で作るにしても、モデルになってくれる女性の協力がどうしても不可欠である。
他の人が販売している、素人のパンチラ作品を見てみると、出会い系のサイトなどで、パンチラモデルを募集している人が多いようだ。
健一は過去に、ヌード撮影スタジオというものを利用したことがある。
そういうサービスというのは、大抵が高額の料金だ。
女の子のヌード撮影をするためには、ちょっと安めのソープランド並みの料金がかかる。
女の子の立場からすると、自分の裸の動画がネット上で出回ってしまっては、洒落にならない。
健一は過去に、パンチラ動画などの撮影に協力してくれている、女性とその関係者の話を聞く機会があった。
そのときに健一が聞いた話では、女性にとっては、パンチラに限らず、女性のヌードなどの動画が、ネットなどに出回らない保証なんてあるわけがないというのが実情だ。
だから、例えば、女の子がお金をもらって、パンチラをその場で見られるのは一向に構わないが、動画や画像などの撮影ともなると、そんなリスクを誰も犯したくないと考えるのが女性側の事情である。
さらに、男性からしても、動画撮影にお金をかけるよりも、お金を払うのなら、目の前の女性を抱いてしまいたいと思うのが本音だ。
エロ目的の女性を目の前した男性にとっては、生身の女性を見て、風俗店などで撮影に時間を費やすより、自分の中に溜まっている精子を気持ちよく処理したいという本能の方が、明らかに大きい。
そういった、女性側の事情と、男性側の思いが、例えば、パンチラを初めとする、エロの動画撮影というハードルを高くしている。
しかし、オナニーが好きな男性なら、自分用のオリジナル作品を作ってみたいという願望は誰にでもある。
自分だけの性癖を満たしてくれる作品に出会いたい。
そう、性癖というものは、誰にでもあり、ましてや、パンチラ好きともなると、結構なマニアックな性癖である。
パンチラというジャンルの中には、盗撮というジャンルがある。
当たり前ではあるが、盗撮は立派な犯罪だ。
健一は、犯罪を犯してまでパンチラを撮影したいとは思わなかった。
また、健一にしてみれば、そもそも、下から覗いただけの少しだけ見えただけのパンチラにあまり魅力を感じなかった。
むしろ健一にとっては、美しい女性が、外の景観などと調和した、美しさの中にあるエロスと、パンチラとの調和に超興奮したりした。
健一にとって、パンチラは、美しい女性が本人の合意のもとに、パンチラをサービスしてくれているという、女性の心意気に、興奮するのであった。
「とりあえず、自分が見たいパンチラがどのようなものなのかをまとめておいて、女性の協力が得られたときに、いつでも指し示すことができるように、自分の願望をまとめておこう。」
健一は、そう思いながら、女性のパンチラ記事を書きながら、女性用パンチラ撮影マニュアルなどを作成しておくことにした。
アイドルになるための過酷な競争

今日も紗奈の日常的な、アイドルのレッスンが続いた。
紗奈は先日、テレビでブレイクしている某グループを生で見かけた。
紗奈は、そのグループのことについて、さすがに、テレビで人気なだけあって、かなり可愛いと思った。
紗奈は素直に嫉妬した。
しかし、紗奈が一番嫉妬したのは、デビューして間もないのに、一気に人気が出た女の子がいたからだ。
その娘の年齢は18才で、紗奈よりも4つも若い。
いや、紗奈は再来月には23才になるのであった。
紗奈は正直焦っていた。
「このまま、アイドルとして芽が出ないまま、私は終わってしまうんだろうか。」
紗奈は、アイドルに憧れているときは、アイドルの華やかな面だけを見ていた。
しかし一般的には、アイドルとして人気を得るのはほんの一部の女の子だけであり、ほとんどの女の子は、芽が出ないまま、引退を余儀なくされる。
紗奈は、自分の年齢は、まだそんなに高いというわでもなく、紗奈よりも、芽が出ないまま、年齢を重ねている女の子は大勢いる。
そんなアイドルとして、芽の出なかった多くの女の子達は、元アイドルという肩書を隠して、社会に溶け込んでいく女の子も数多くいる。
もちろん、元アイドルという肩書を持ったまま、社会に溶け込んでいる女の子もいる。
しかし大抵の場合、アイドルとして、一生懸命に頑張った期間というのは、芽が出なかった場合は、人生の大きな空白の時間になったりするのだ。
しかも、アイドルとして頑張っている間というのは、むしろ、まともな恋愛というものができない。
そうなってくると、ほとんどの女の子は表面上は言いたくは無いが、本音の部分で、アイドルを目指したこと自体に後悔をしていることも大いに考えられる。
実際、紗奈も、本当に今の自分でよかったのかと、深刻に悩むことは多くなってきていた。
紗奈はふと、1週間前に見たツイッターのDMのメッセージを思い出した。
「パンチラを極めてみませんか?
パンチラクリエイターとして、新しいアイドルを目指してみませんか?」
紗奈はこのまま、いつもどおりの毎日を送っていても、明るい未来が来るようには思えなかった。
紗奈にとっては、自分の肌を人に見られるのにそんなに抵抗は無かった。
しかし、紗奈の両親や友達が、紗奈が肌を露出するのを見たら、どんなに幻滅するだろう。
世間の人は、「早川紗奈ちゃんも、ついに堕ちたか。」というように、紗奈の人間性を否定する意見も多くなるかもしれない。
(世間の人に言いたい。私たちアイドルが、どんなに頑張っていても、アイドル以外の人には絶対に理解してもらえない、苦しみもあるのだということを。)
(このままではいけない。自分を変えるには、自分が変わるしかないんだ。)
紗奈は、一週間以上前にもらった、川野健一さんの、ツイッターのDMの「パンチラクリエイターへの挑戦」に返信してみることにした。
(所詮は、SNSでのやり取りだけだ。ヤバいと思ったら、ブロックしてしまえば済む話ではないか。)
パンチラクリエイターの活動とは?

その日健一は、朝からクレーム対応に追われていた。
「まったく、サラリーマンというのは、何故こうもつまらないのだろう?」と健一は思った。
いや、つまらないというよりも、とにかく、理不尽なのだ。
サラリーマンの中には、いつも責任がかかってしまう人間とそうでない人間がいる。
能力の差ではない。
上司の好き嫌いだけの話である。
健一はとある業務を、指示されたとおりにやっただけだった。
なのに、いつも回りから文句を言われるのは上司ではなく、健一ばかりであった。
そんな、いつものように仕事を終えて、健一は、家に帰って、酒を飲みながら、ツイッターを見た。
(えっ?まじか。早川紗奈ちゃんから、DMが届いているではないか。)
「こんにちは。
返信が遅くなっちゃって、ごめんなさい。
私のことを応援してくれているようで、大変嬉しく思います。
さて、少し気になったことがあります。
パンチラクリエイターについてですが、具体的には、どのような活動なのでしょうか?
売れる保証はありますか?」
「早川紗奈ちゃんは、どういう気持ちでこのメッセージを書いていたんだろう?」と健一は思った。
逆に、健一のDMに対して、質問を投げかけてきているということは、少しは内容に、興味があるのかもしれないと、健一は思った。
健一はこれまで、早川紗奈ちゃんを、テレビでは見たことがない。
健一にしてみれば、早川紗奈ちゃんが、どの程度売れているかわからないが、アイドルならば、それなりにファンもいるはずだ。
(早川紗奈ちゃんの状況を私が考えても、しょうがないことだ。
私は、早川紗奈ちゃんのパンチラがもっと見てみたいという思いを伝えよう。)
健一は、早川紗奈ちゃんに対して、少々の長文のDMを、打ってみることにした。
アイドルから新しいチャレンジへ

「パンチラクリエイターか?」
紗奈はその言葉の意味を、気がつけば考えてしまっていた。
紗奈はこれまで、目の前のレッスンや、心構えをこなしていれば、アイドルとして成功できると、勝手に思っていた。
これまでの紗奈は、先輩達の道のりや、指導者達の教えが正しいと、疑ってかからなかったからだ。
しかし現実はどうだろう?
このままでは、紗奈の念願である、武道館でのパフォーマンスなんて、夢で終わってしまうのではないだろうか?
紗奈はふとツイッターを見た。
「あっ、パンチラクリエイターを提案してきた人から、DMが届いている。」
「こんにちは、早川紗奈さま。
DMへの返信をとても嬉しく思います。
早速ですが、ご質問に対する回答をさせていただきたいと思います。
まず、パンチラクリエイターについて説明いたします。
パンチラクリエイターというのは、一つの商品軸であって、他に良い題材があれば、代用可能です。
しかし、私がパンチラ大好きなのと、早川さまが、Tik tokで、パンチラでバズったことが共通項なので、その線で攻めたいと思って提案させていただきました。
バズるということは、需要が多いという根拠になります。
また、パンチラクリエイターというポジションは、他にライバルがいない、空きポストのように思います。
どのビジネスをするにしても、戦わないことが、勝利の鉄則なのです。
つまり、パンチラクリエイターという、新しく作った領域なら、ライバルがいないので、戦わなくてすむのではないかと思います。
そして、アイドルとて、人気を得るためには、認知を取りに行く必要があります。
大勢の人に認知してもらうには、人の目に触れる回数をできるだけ多くするということを考えます。
ここからは、具体的な行動について述べさせていただきます。
早川紗奈さんが、これからパンチラクリエイターとして、認知を取りに行くためにすることは、まずは、以下の2点を行動することです。
・パンチラクリエイターを宣言し、提供できる商品やサービスを考える。
・SNSで積極的に多くの人と接触し、コミュニケーションが通ったフォロワーを増やす。
最初は、パンチラクリエイターとしての認知は、取れない期間が続くでしょう。
しかし、ブレずに、一貫性を持って、発信していく。
これが、最短で大きな認知を取りに行く方法になります。
文字数が多くなったので、まずはこの辺で終わります。」
紗奈は健一からの長文を丁寧に読み返した。
紗奈が文章を読んでみて、素直に、これまで聞いたことがないような、新しい知識に、興味が沸くのを感じた。
しかし、紗奈には、まだ、健一からのメッセージが、アイドルとして認知させる道筋であるということに対して、半信半疑であった。
しかし、紗奈は、自分をどうしても変えたいという想いがあった。
紗奈が自分を変えるには、これまでと違う行動をしなければならないと、直感的には思っていた。
「まあ、何もしないで後悔するよりは、いろいろとチャレンジした方が、悔いが残らないか。」
紗奈は、健一の提案を、一旦、受け入れてみようと思った。
SNSを使って投稿回数を増やす

次の日の朝、健一は、会社が休みとあって、少し遅い朝を迎えた。
健一は、朝食をとってから、スマホをチェックした。
健一は、紗奈からの、ツイッターのDMのメッセージがあることに気がついた。
「こんばんは、川野さま。
川野さまのご提案について、いろいろと疑問があるので、教えていただけませんか?
パンチラクリエイターを宣言して、具体的にどのようなパフォーマンスを提供すればいいのかが、イメージが沸きません。
川野さまのお考えを参考に聞かせてもらえないでしょうか?
また、SNSについては、現時点で、ツイッターとInstagramをすでにやっているのですが、もっと投稿回数を増やすという意味なんでしょうか?
いろいろとわからないことだらで、理解力がなくて本当にごめんなさい。
もう少し、詳しく教えていただけませんか?」
健一は、今日は仕事が休みだ。
早速健一は、紗奈からの質問に対し、返信のDMを作成して送ることにした。
アイドルは競争社会

今日は、紗奈は、コンサート会場の設営をしていた。
週末などは、コンサートなどで、アイドルは、活動しなければならない。
今日は、紗奈が所属するユニット、「ゲンキー5スターズ」のパフォーマンスもする予定になっている。
紗奈たちは、今日は2回のパフォーマンスに備えなければいけない。
「お疲れ様!!」
コンサートは、大盛況だった。
今回は、他のユニットもたくさん出ていたので、紗奈たちのユニットである「ゲンキー5スターズ」の人気が爆発的に上がる可能性は、高いとは言えない。
アイドルをしているとよくあるのが、一つのユニットだけが、爆発的に人気が出て、他のユニットが、まったくと言っていいほど、人気を吸いとられてしまうことがあったりすることだ。
アイドルは、し烈な、競争社会であった。
紗奈が帰宅したのは、晩の20時。
紗奈はクタクタだった。
紗奈が落ち着いて、スマホを見たのは、22時のことだった。
「川野さんからのDMだ。」
紗奈は健一からのDMをチェックした。
「こんにちは、早川紗奈さま。
パンチラクリエイターとしての活動については、主に、SNSを使って宣伝していくのが良いと思います。
なぜなら、SNSは無料だからです。
とりあえずは、Instagramとツイッターで、集客しながら、商品を置く場所をいくつか持つといいと思います。
パンチラ動画を撮影(iphonで動画編集無しで十分)し、5分以内の動画を以下の場所にいくつか置いておくといいでしょう。
・Fantia
・patreon
・LOVEPOP
今日から早速、色々なことができます。
ツイッターで、パンチラクリエイターとしての活動をストーリーという形で発信していきます。
Instagramでは、自分から積極的に、自分が興味があるジャンルの人に、いろんな人に話しかけていくといいと思います。
話しかける内容は、アイドルとしてではなく、一個人が日常的に話しかけるイメージですね。
さらに、Instagramでは、積極的に、自分からフォローしていくことをします。
カメラが趣味な人も、話しかけるといいと思います。
画像を綺麗に撮影する方法を聞くと、喜んで、教えてくれるのではないでしょうか?
とにかく、人と繋がることが大事です。
時分の宣伝をあえてせずに、たくさんの人と繋がることを意識してみてください。
よくアイドルでいるのが、自分の宣伝だけして、他の人をフォローしないというスタンス。
他の人がこのようなスタンスでいる限り、自分から積極的に話しかけていくことは、それだけで差別化に繋がるんです。
頑張ってやってみてください。」
紗奈は、健一からのDMを素直に実行してみようと思った。
「そっか、自分から積極的に話しかける。
とりあえず、やってみよう。」
パンチラ撮影マニュアル

健一は、紗奈のために、『女性のためのパンチラ撮影マニュアル』を作成していた。
マニュアルに記載しているのは、次のような内容である。
・どのような服装がよいか。
・どのような下着がよいか。
・どのようなシチュがいいか。
・どのような背景がいいか。
など。
健一は、ツイッターを確認すると、紗奈からDMが入っていた。
「川野 様
早速ですが、Instagramを始めました、というより、これまでは、発信が中心だったのですが、会話を積極的にしていくようにしました。
パンチラの撮影については、空いている日などに、徐々に少しずつやっいきます。
いろいろと、アドバイスありがとうございます。」
健一は、紗奈からのDMにとても嬉しく思った。
「よし、パンチラ撮影マニュアルを完成させて、早速、紗奈ちゃんに送ろう。」
健一は、紗奈に、DMで、メールアドレスを聞いて、そこにマニュアルを送信することにした。
パンチラクリエイターを宣言

紗奈は、健一からもらった、パンチラ撮影マニュアルを見ていた。
「よし今日は、制服を着用して、自分たちの曲を踊ってみよう。」
早速、紗奈は、自撮り撮影をした。
紗奈は、撮影した動画をFantiaに置いた。
次に紗奈は、健一から受け取った、YouTubeでのパンチラクリエイターとしてのチャンネルの開設にあたっての、スピーチの台本を見た。
台本に書かれている内容というのは、だいたい、次のような内容である。
・パンチラクリエイターとして活動していくきっかけや、豊富を語る。
・パンチラクリエイターとしての主なジャンルのご紹介
・パンチラアートへの挑戦。
美しい景色にできるだけ同化できるような美を追及するパンチラにチャレンジ。
・アニメや映画のパンチラシーンをとことん追及していく。
・日常における、あるあるなパンチラを発信していく。
・クローズド空間のみでの活動ではあるが、いわゆる、男性の性を処理するためのパンチラを追及していく。
これらのことを宣伝していくため、紗奈はYouTube動画の撮影に入った。
紗奈は、YouTubeの動画を撮影し終わったあと、カメラマンとの接触を試みた。
「カメラマン様
こんにちは、早川紗奈というアイドルをさせていただいてものです。
このたびは、『パンチラクリエイター』としての活動を開始させていただくことになりました。
つきましては、アートなパンチラの撮影のお手伝いをお願いしたいのですが。」
パンチラクリエイターが目指すべき方向

健一は自分の考えを整理していた。
健一は、紗奈が健一の提案に乗って活動した限り、自分にも当然責任はあるとの考えを持つようになった。
紗奈がアイドルとして売れていくには、これまでのテレビに出るための戦略では不十分である。
当たり前ではあるが、人が認知を取るとき、人目に触れる露出回数に比例して認知される。
そして、認知度と人気は、比例するのだ。
最近は、テレビ以外のメディアが数多く存在する。
インターネット、SNS、Netflix、など。
インターネットが普及するまでは、テレビに出るだけで認知が取れた。
皆がテレビだけを見ていたからだ。
ところが最近は、視聴者が、メディアの選択肢を自由に選べるようになった。
だから、テレビに出ることだけを考えて、パフォーマンスを訓練する時間は、ある意味、無駄なのだ。
例えば、アイドルが振り付けの練習をしている時間に多くを割くぐらいなら、Instagramで人と会話をしている方が、よほど露出への効率がいいのだ。
健一は、アイドルが、この認識を持っていないことが、そもそもの間違いであると思っていた。
例えば、ツイッターやInstagramのフォロワー数が多いのに、フォロー数が少ないのが当たり前という、アイドルの常識がある。
当たり前ではあるが、SNSでフォローされた相手は、単純に嬉しいはずだ。
なのに、なぜかアイドルは、自分からフォローするのは、変なプライドというのがあるようで、フォローを積極的にしていっているアイドルは、ほとんどいない。
アイドルはが、お高い位置にいるからこそ、みんなの憧れであるという、時代遅れの考えが、芸能界では未だ残っている。
健一は、紗奈が売れるようになるためには、これまでのアイドルとしての概念である考え方を、スイッチさせる必要があると思った。
健一は、紗奈に、DMを送った。
その内容とは、紗奈が思い描いている、これまでのアイドルの在り方という考え方を、根本から変えさせる内容のものであった。
「紗奈さん、これまでのアイドルとして売り出すのは、得策ではありません。
どんなビジネスも、争わないことが、一番のうまいやり方です。
私が思う次のことを意識して、ライバルのいない市場を開拓していくことが、紗奈さんの影響力を高める最も良い方法だと思います。
・アイドルとしての活動は続けるも、軸をクリエイターに徐々に移す。
・パンチラクリエイターという新しいジャンルを創出する。
・パンチラクリエイターとして活動を継続することができる人脈を構築する。
上記で最も意識すべきは、最後の項目の、紗奈さん特有の人脈造りです。
仮に紗奈さんが、パンチラアイドルというユニークさだけでトップが取れたとしても、他の新しいユニークを売りにしたアイドルが出れば、アイドルとしての地位は、すぐに終わってしまうでしょう。
紗奈さんが、それなりの地位をキープしていくためには、他の人が真似することができない、紗奈さん独自の人脈を構築することが、安定的な、影響力を持つ方法です。」
パンチラクリエイター奮闘記

紗奈は、京都の伏見稲荷神社に来ていた。
先日約束をした、カメラマンとの、撮影のためだ。
今日の撮影の目的は、『古き日本の文化×パンチラ』という、新しいアートを作っていくためだ。
カメラマン「紗奈ちゃん、いいよ。もう少しスカートをめくり上げてくれる?」
紗奈「はい、こんな感じですか?」
カメラマン「うん、とてもいいね。周りの景色ととてもマッチして、エロ美しいよ。」
こうして、京都の伏見稲荷『古き日本の文化×パンチラ』の撮影が終わった。
そして、紗奈は、Instagram用にアップする写真のチェックにも余念が無い。
紗奈は、ツイッターとInstagramには、毎日3回投稿することを日課にしている。
Instagramでは、基本的にアダルトはNGなので、あくまで、『パンチラ』という表現はなるべく使わずに、ソフトなイメージの画像を使って、アートを投稿していた。
最近では、紗奈のフォロワー数は、Instagramでは、一気に20万人を突破。
トップインフルエンサーには及ばないが、ミドルインフルエンサーとして、十分な実績であろう。
それに加えて、紗奈はアイドルというよりか、単独の活動や仕事が増えて、パンチラクリエイターとしての地位を確率しつつあった。
紗奈の表面の活動だけ見れば、パンチラクリエイターとしてのインフルエンサーといった要に、世間の目には写っているだろう。
しかし、紗奈がこれまでのアイドルと異質である点は、紗奈自身が、自らのコネクションで、色々なジャンルの人たちと、交流があることだ。
例えば、今回の、京都の伏見稲荷神社で撮影したカメラマンも、もとはと言えば、個人で活動しているカメラマンだった。
このカメラマンのテーマはもともと、古き良き日本をテーマに、全国の日本の古い文化の風景画を撮影して回っているカメラマンだった。
さらに、紗奈には、アニメ作家とのコネクションもある。
通常、エロい作品というのは、男性の漫画家の分野であったが、紗奈は女性の漫画家とコネクションを取り、自らの活動を漫画にするように依頼をした。
そして、最近は、紗奈を題材にした、『パンチラクリエイター奮闘記』という漫画の発行部数が、20万部を超え、こちらも大ヒットをしてきている。
この女性漫画家は、常に紗奈の写真や画像、動画といった内容について、編集前のものが優先的に回してもらうことができるため、世に出ている、紗奈のパンチラ画像以外の紗奈の様子をリアル風景として見ることができる。
つまり、紗奈を題材にした漫画、『パンチラクリエイター奮闘記』は、内容についても、画像についても、漫画家が自分で案を考える必要がなく、漫画ネタになりそうな内容のものを、独自に抜粋して作品にしていくだけであった。
紗奈の活動は、一つの企業活動のような意味合いを持ち、瞬く間に、時の人となったのである。
そして遂に、紗奈は、アイドルとしてのユニット「ゲンキー5スターズ」としてではなく、『パンチラクリエイター』として、テレビに出演することが決まった。
これまでは、テレビに出演するようになったインフルエンサーは、ネット上での活動が、十分に認知を取れた人しか出演されなかった。
例えば、アイドルの場合、テレビ事務所などを通じて、アイドルとしての修行を十分に積んだアイドルだけが、テレビに出演することができた。
しかし、これらのアイドルは、「NHK紅白歌合戦」などの番組に出場するかしないかで、アイドルとしての生命が決まっているようなものであった。
紗奈は、テレビ以外の活動である、写真集や漫画、YouTube、雑誌、などの活動が充実しており、これまでのアイドルとしての在り方とは大きく違った。
そして、紗奈は、Netflixでの配信の準備もしていた。
新しいジャンルを創出していける人間が勝利する

健一は、紗奈が、一人の『パンチラクリエイター』としての活動について、完全に自分のものにしたという実感が沸いた。
最近では、健一が紗奈に指示をしなくても、テレビやNetflixなどの活動が忙しくて、ノウハウとして伝えることはもう無かった。
健一は、自分の役割は終わったと思った。
健一の手元には、紗奈の未公開映像や、紗奈がもらってきたファンからのプレゼントのおすそ分けがたくさんある。
しかし、健一は、忙しかった。
紗奈の成功を受け、他のアイドル達が、自分もプロジュースして欲しいという依頼が殺到したのだ。
このとき、紗奈だけでなく、健一も時の人となりつつあった。
健一は、自信のYouTubeチャンネルを立ち上げ、ビジネス系ユーチューバーの中でも、芸能事務所とコネクションのある新しい事務所としてのチャンネル活動をした。
さらに健一は、クローズド案件という形で、アイドル養成のための講演会を行なうようになった。
健一が提案している新しいアイドルの養成とは次のようなものである。
・アイドルとして活動するのではなく、新しいジャンルを創出していける、独自性をもった活動を目指す、新しいアイドルとしての形を目指していく。
・インフルエンサーを意識して、積極的に、人との交流を図っていく。
・練習風景など、それまで語られなかった、過程の表現をしていくことにより、それぞれの活動の日常が、ストーリーとして、多くの人の印象に残るように活動していく。
そして、健一は、企業側から、いろいろな広告案件を獲得することにも成功していた。
健一は、実業家としての活動を始めた。
健一は思った。
紗奈との活動は、一つの小さな成功体験の積み重ねから出来た、大きな成功であった。
最も大事なことは、これからの時代は、個人で発信していくことが、個人として成功するためのファーストステップである。
そして、0から1を積み上げるということが、最も難しいことであり、1を作ることができれば、それを1~5に、5~10に、10~100に、100~1000に、1000~10000へと、同じことを規模を徐々に拡大して繰り返していくことだけである。
昔の、オークションマーケティングという、お金を持つ所だけが勝利できるという時代は終わった。
これからは、クオリティマーケティング、つまり、SNSなどを使って、お金よりも労力と質の発信が勝てる時代になったのである。
今後ますます、個人の発信の競争は増えるだろう。
そうなれば、次世代の発信の常に最先端の発信を学び続けていく必要がある。
これからは、学びとアウトプットを積極的に行なったものだけが勝利者になれる。
健一は、更なる新しい時代への学びを、今後も行なっていく決意を固めていた。
(完)長らくご愛読いただき、ありがとうございました。